TIGRAN AVETISYAN HAND PAINTED LONG JACKET

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アナキストとも言えるモスクワ出身のデザイナー・アーティストであるTIGRAN AVETISYAN ( ティグラン アヴェティスヤン ) の2018AWコレクションからペインティッドロングジャケットのご紹介です。

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ウールを用いたサイドベンツロングジャケットにTIGRAN AVETISYANらしいD.I.Y.精神溢れるハンドペイントを施した特別な一枚です。ボディーに用いたジャケットは、ロシアで最も古い歴史を持つファクトリーにて製作されております。

 

ピンバッジが付属されます。ピンバッジの意味はアメリカの政治家が身に付けるバッジを例えたものでTIGRANは敢えて無地のバッジを提案しています。「 誰かが作ったグループに属したり意見に左右されるのではなく、言うなれば、俺はどこにも属さない、俺は俺に属するアナーキーな状態である 」。という意味が込められており、自分なりのアイデンティティを見つけ、自分の意見を持ち、そして自分の色にこのバッジを染め上げてほしいメッセージです。本アイテムは他アイテムのように缶には収納されておりません。

 

前回のシーズンは 「 FASHION FAST 」 と題し、デザインやトレンドを模倣して安易に利益を生み出そうとするFAST FASHIONに対する真面目なジョークと、目紛しく移り変わる作られたトレンドサイクルに対しての真面目なジョークを込めていました。またFASTにはFASTENの意味もあり、FASHIONに縛り付けられているのでは?というメッセージも込められていました。

 

今回18AWも非常に商業化されたファッション業界に対してのアナキストぶりは健在です。「 FASHION FEAST (ファッションの饗宴 ) 」と題しコレクションを製作。コマーシャルな商品が氾濫し、また業界全体が同じ方向へと突き進んでいる事に対する一つの答えとしてコレクションを製作しました ( TIGRAN本人談 ) 。

 

コレクションのサブタイトルには、 『 WE CAN BECAUSE THEY CAN’T 』 とあります。商品自体を缶に収納しているのは大量生産、大量消費時代への批判です。さらに「 缶 」と「 CAN 」を掛け、「 あなた達には出来ない事を僕は出来ますよ 」。といった意味を込めています。

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缶のラベルにあえて固有名詞を出し真面目なジョークをプラスしている商品 ( AIR缶 ) もございますが、単純に、ある一部分の著名なデザイナーやブランドに対して盾突く事でカスタマーに面白がって貰いたいという小さなスケールの話ではございません。コントロールされ意図的に作られたファッションビジネス全体という、とても大きな対象に対し 「 NO 」 と言いたい。ブランド、デザイナー、メディア、消費者などに向けてのメッセージとなっております。その 「 NO 」 とは、本質を見極めず、いつの間にか築き上げられてしまったフェイクな価値観に対して何の疑問も持たず受け入れる危険性への危惧です。そして多数派が絶対正義とされる誤った方向に進んで行ってしまっている現状を何とか食い止めたいという想いも込められています。

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しかしながら、TIGRAN AVETISYAN自身もファッション業界の中で生きているデザイナーです。この矛盾の中で心から悩みながらも重要なメッセージを伝えようという使命感や責任感から、まるで活動家のように突き進んでいるのがこの男です。試行錯誤しながらアイテムを通し自身の考えを発信しメッセージを伝えたいと戦い続けている姿は非常に美しく、そしてリアルです。故にTIGRAN AVETISYANの作るウエアは信じられるのです。